興味深いオキシトシンの作用

wired.comに投稿された記事に「愛情ホルモン」オキシトシンについて興味深い記述がありました。抱擁の化学物質は偏見と好意に拍車をかける・・・という。

オキシトシン
愛情ホルモンや絆ホルモンといわれるオキシトシンは、脳の視床下部で合成され下垂体より分泌されるホルモンです。アメリカの生化学者ヴィンセント・デュ・ヴィニョーが1952年にオキシトシンとバソプレシンの分析に成功、のち1955年にはノーベル化学賞を受賞。
ホルモンとは身体の特定の場所に情報伝達され作用する化学物質で、オキシトシンは内分泌機能を持ったペプチド型ホルモンであり、血液に直接分泌されます。最近の研究では脳内で分泌して大脳皮質や偏桃体に作用するとあります。

オキシトシンが作用するとストレスに対する自己免疫能力を向上させるようです。集団、社会的な行動がスムーズになると云われ、幸せ感がアップ、うつ状態や気分の減退を軽減、人と交わり仲睦まじくさせる心身に良い影響を及ぼすとされています。オキシトシンは、安らぎや信頼感を与える神経伝達物質セロトニンの放出を促進して抗不安作用を及ぼすと考えられています。

オキシトシンを自然に分泌させる行動は スキンシップ、ペットとたわむれる、親しい人とコミュニケーション、人に親切にする、素直な感情を持つことなどが挙げられています。



そんな幸せいっぱいにしてくれるオキシトシン。

では!オキシトシンを分泌させれば多くの問題が解決されるのではないか?そうですよね。からだや心の免疫が上がり、不安が消えて自分を前に押し出せる、人と関わり社会性を向上させるなんて。素敵。うちはペットがいないけど、猫カフェに行きたくなるものね。猫さんの仕草を見ているだけで癒される。わんこも可愛い。できれば人とも楽しく交わりたいですよね。

オキシトシンは幸せホルモンと記憶していたのですが、wired.comではこのオキシトシンのダークサイドについて取り上げていました。

wired.com 日本版

オキシトシンが人の行動に対してどのような影響を与えるかを確認するため、De Dreu教授らのチームは、オランダ人男性[280名]を60〜70人ずつのグループに分け、それぞれをコンピューターの前に座らせた。

いずれの実験においても、少量のオキシトシンを吸引した男性では、ライバル国の人に比べて自国民を優遇する姿勢がより強く、より頻繁に見られた。


とあります。ダークサイドとまで言えませんが、なるほどオキシトシンの投与によって人の本能の力が強く出たのではという印象です。生存に関わる判断の本能でしょうか。自分に近く関係する者を守ろうとする本能ではないかと思います。母性本能もそうですよね。

ある種、ダークな側面を知ってもなお、オキシトシンのマジックに恩恵を受けたいと思うのでした。

ヒプノセラピーで自分自身との内的コミュニケーションはオキシトシン分泌にも効果的ですね。ヒプノセラピーで起こる変性意識と脳のアルファ波状態が、瞑想時と同様に脳の視床下部に作用し、ストレスホルモン コルチゾルの軽減とセロトニン増加を促すといわれます。