18世紀の心理学 メスメルの動物磁気説
心理学の始まり
シャルコーのもとで一時期は催眠治療を行ったフロイト
フロイトの登場前には心、心理の問題がどう扱われてきたのか
魔女裁判などもあった、神学や宗教学等が盛んだった時代
シャルコーのもとで一時期は催眠治療を行ったフロイト
フロイトの登場前には心、心理の問題がどう扱われてきたのか
魔女裁判などもあった、神学や宗教学等が盛んだった時代
心理療法、治療法としての催眠術の歴史をひも解く・・・
ドイツの医師 フランツ・アントン・メスメル(Franz Anton Mesmer 1734-1815)は動物磁気を提唱した。カトリックの大学で学び後にウィーン大学で医学を、大学に最初に提出した博士論文は『人体への惑星の影響について』である。人体には宇宙から、太陽や月や惑星に影響されているという説。哲学および医学の博士号を持ち、哲学や神学の知識を得ていた。メスメルの動物磁気治療の根幹は「催眠」の要素を多く備えているため、メスメルの名前がmesmerize(催眠術)の語源ともなった。
メスメルはこの世のあらゆるものは磁気があり、人は動物磁気のバランスが崩れると病気になると説いた。宇宙磁気論や天体磁気の影響も唱えた。
最初は磁石を用いて治療を行った。ヒステリー症状のある女性に磁気治療を施し完治させる。宇宙の磁気が人体に影響した結果、症状が解消されたという説。聖職者のエクソシスム(悪魔祓い)を動物磁気によるものと意見した。
個人治療で磁気を用いた療法をし、後には「baquet(バケツ)」という集団治療法を施す。病気の人々がメスメルのもとを訪れるようになるが、盲目のピアニスト マリア・テレジアに治療の際に禁止された楽器グラス・アルモニカを用いたことと、マリア・テレジアに治療の効果の兆しがみられたために王立委員会の調査と、時の権威ある医学界によって動物磁気説は否定されるに至り、メスメルはウィーンを追放された。その後パリで『動物磁気の発見に関する覚え書』 を書き液体と磁気による自然治療の効果について示した。
メスメルは少年時のモーツァルトのパトロンともなっていたことで知られる。